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2021.05.04タイトル情報お知らせ

【 Caligula2 GW 特別企画 】#04 2種類のカメラを使い分ける! バトルカメラのこだわり

2021年6月24日にフリュー様から発売される「Caligula2」。
開発会社である弊社ヒストリアより、ゴールデンウィーク特別企画として、
開発リーダー陣による作品へのこだわりどころを全5回に渡って紹介したいと思います!

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【 Caligula2 GW 特別企画 】#04 2種類のカメラを使い分ける! バトルカメラのこだわり
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#04となる今回は、バトルカメラのこだわりについて紹介させていただきます。


はじめに

今作のバトルでは、
全キャラクターの行動を見やすくした俯瞰カメラと、行動しているキャラクターの動きを注視するカメラの2種類があります。

■全キャラクターの行動を見やすくした俯瞰カメラ

敵味方それぞれのキャラクターがどのような状況になっているかがわかりやすくなっています。

 

■行動しているキャラクターの動きを注視するカメラ

1人のキャラクターにスポットを当てる事で、よりキャラクターの魅力が引き出されています。

 

 


課題

Caligulaにおけるバトルは、一般的なRPGのバトルと比べてかなり個性的な内容になっており、
それを表現するカメラも一筋縄ではいきませんでした。

アクションRPGであれば、操作するキャラクターが1人のため、基本的にずっとそのキャラクターを注力するカメラになるかと思います。
また、ターン制のRPGであれば、現在行動をしているそのキャラクター1人を注力するカメラになるはずです。

対して……
Caligulaシリーズでは敵も味方(最大4人)も全員同時に動き、更に味方は全員操作キャラクターという他にあまり類を見ない特殊なシステムで構成されます。

更に本作ではイマジナリィチェインといった前作でお馴染みのシステムの他、
新たな要素として追加したフロアージャックなど様々なシステムが存在します。

それらを踏まえ、では本作ではどのようなカメラが相応しいのか、フリューさんと様々な議論や検証を重ねてきました。


開発経緯

Caligula Overdoseでは

「敵・味方全体の動きを把握できるようにする」ことを目標とし、全てのキャラクターをおさめる俯瞰のカメラを採用しました。
これにより敵が複数体いて、それぞれで別々のキャラが同時に攻撃を行っても、
どこで何が起きているかバトルフィールド全体の状況が把握しやすくなりました。

その一方、各キャラクター一人ひとりの動きがあまり見えず、やや迫力に欠けるという面もありました。

■こだわり:行動選択中のカメラ

CaligulaOverdoseから、
行動選択中になるとカメラが自動的に操作キャラクターの背後に回り込むように移動しています。
常に同じ後ろ姿を映すことで、より今誰を操作しているのかわかりやすくなりました。
この動きは今作でも採用しています。

 

Caligula2では

前作での課題を踏まえ、今作では「キャラクターの動きをよく見せたい」という点にも重点を置く事にしました。

試作段階1

まずは前作からの俯瞰カメラを改善する事にました。
バトルフィールド内の全キャラクターを画面内に丁度収まるように計算し、可能な限りカメラをキャラクターに近づけるようにしました。
どのような手法を取っているかは弊社の技術ブログでも紹介しているので、ご興味ある方はそちらを御覧ください。
[UE4] 指定した点の全てを視界に収めるカメラの位置を計算することについて

Caligula Overdose
Caligula2

この手法によりキャラクターの動きが見やすくなりました。
ですが、もっとキャラクターを魅せる方法はないか、その手段を模索する事にしました。

試作段階2

そこで一度大胆に、操作したキャラクター1人に対してカメラのスポットを当て続けるという手法を試してみました。
(イマジナリィチェイン中は状況が把握しやすいように俯瞰カメラのままにしました)
この試行が想像以上にキャラクターの動きを魅力的に見せ、
また同時に見えにくくなっていたリリックムービーも見やすくなり効果的な事が判明しました。

そうしてカメラ酔いなど様々な要素に考慮しつつ調整したものが行動しているキャラクターの動きを注視するカメラになります。

このカメラは以下のルールで動いています。
・行動している味方キャラ クターの動きを優先的に映す
・オートモードの時は操作キャラが動いていたら優先的に映す
・待機状態のキャラクターは映さない
・キャラクターが動き出す少し前にフォーカスする
これにより現在行動しているキャラクターの動きを魅力的に見せるカメラが出来上がりました。

試作段階3

しかし1人にカメラのスポットを当てすぎてしまうと、
「知らないところで味方が死んでいた」「いつの間にか敵によって行動がキャンセルされていた」など、
ピンチになっていることが分かりづらい状況が発生する場合があります。

また、新要素であるフロアージャックは「ピンチになりそう」「今が攻め時だ」といった、
バトル全体の状況からタイミングを見極めて使用することでより大きな効果を発揮するシステムです。

つまり、より緻密にバトルをコントロールするためには俯瞰カメラの方が適していると考えられます。
そこで最終的に、デフォルトではキャラクターを注視しつつ、
プレイヤーが任意のタイミングで俯瞰に切り替えられるようにすることで落ち着きました。


おわりに

このようにキャラクターをよりよく見せたかった背景には、アーティストのキャラクターに対するこだわりがあります。
詳しくは【 Caligula2 GW 特別企画 】 #02 キャラごとの個性、動き、エフェクトについてのこだわり 前編
弊社アーティストが語っていますので、そちらも一緒にご覧頂けると幸いです。