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※ 2019/04/25 追記
現在はSequencer(シーケンサー)というツールに置き換わっているのでMatinee(マチネ)は非推奨です。
Sequencerについては、公式ドキュメントを参照ください。
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ゲーム開発だけでなく、映像作品の制作にUE4を使う事例も増えているようです。
UE4で映像作品を作る場合、ゲームのカットシーンと同様の手順で制作することになります。
UE4のカットシーン制作にはMatineeと呼ばれるシステムを使用します。
今回からの連続記事で、Matineeを使ってカットシーンを作る方法をご紹介していきます。
1.Matineeエディタを起動する
まずは、Matineeエディタの画面を開いみましょう。
画面上部のMatineeボタンを押して、「Add Matinee」を選択します。

Matineeエディタを開くとUndo(Ctrl+Z)出来なくなりますよ、という警告が出ますが、「Continue」を押して進めます。
画面は↓のようになっています。簡単に画面を説明します。

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- Matineeエディタを開くと、MatineeActorがレベルに追加されます。これは、そのActorの名前です。SceneOutlinerから確認してみましょう
- タイムスライダです。赤い三角で囲まれた範囲がカットシーン全体の尺になります。緑の三角はプレビュー用のループ範囲です。黒い縦棒が現在のフレームで、左下に緑の文字で表示されています。
- 再生や停止の操作用ボタンです。
- トラックを追加するエリアです。
- カーブエディタです。
- スナップの設定です。タイムスライダを操作する際に、キレイな値にスナップ出来ます。
- キーフレームを追加するためのボタンです。
2.カットシーンの時間を設定する
まずは、カットシーン全体の時間を設定します。
タイムスライダの赤い三角をマウスで左ドラッグし、範囲を延ばしていきます。
キレイな数値に収めるには、スナップを有効にしましょう。

今回は、10秒に設定しました。
3.Actorを登録する
次に、カットシーンにActorを登録します。
今回は、空のシーンに最初から配置されている椅子を動かしてみたいと思います。

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- まずは、Matineeエディタからメインウィンドウに戻って、登録したいActorを選択します。
- トラックのエリアを右クリックして、
- 「Add New Empty Group」を選択します。グループ名の入力欄が出てくるので、今回は「ChairGroup」と命名します。
これで「ChairGroup」が追加されます。グループを選択したり選択を外したりすると、連動して登録したActorが選択されるのを確認して下さい。
続いて、このグループを動かすために、移動用のトラックを追加します。
「ChairGroup」を右クリックして、「Add New Movement Track」を選択して下さい。
↓の画像のようになればOKです。

4.キーフレームを追加してActorを動かす
上記のトラックの登録が済めば、最初から0秒目に初期位置でのキーフレームが打たれています。
続けて、10秒目にキーフレームを打ってみます。

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- まずは、タイムスライダをマウスで左ドラッグして、目的の時間に合わせます。
- 目的のActorを移動させます。
- Movementトラックを選択して「Add Key」ボタンを押します。
- 赤い三角が、追加されたキーフレームです。
これで、0秒と10秒のタイミングにキーフレームが打たれた状態になりました。
「Play」ボタンを押して再生すると、椅子が移動する様子が確認できるハズです。
5.キーフレームを編集する方法
一度追加したキーフレームは、そのキーフレームを選択した状態でActorを移動させると、値を編集することが出来ます。
また、キーフレームを右クリックして「Set Time」を選択すると、直接数値でタイミングを移動することが出来ます。
もっと詳細に編集したい場合は、カーブエディタにアニメーションカーブを表示して、直接編集することも出来ます。
トラックの右部分にある小さな四角を押すと、カーブエディタにそのトラックのキーが表示されます。

ちなみに、その左側の緑の四角は、ビューポート上の移動経路プレビューのON/OFFです。
もっと細かく、個別に制御したい場合は、「Movement」を右クリックして「Split Translation And Rotation」を押すと、軸毎の移動と回転を個別に指定できるようになります。
ですがまず最初は、キーを選択してビューポート上で操作する方法がオススメです。
Groupを複数作り、それぞれのMovementトラックを編集していけば、複数のActorをそれぞれ自由に動かしていくことが可能です。
まず今回はココまでです。
次回は、カットシーンには欠かせない、カメラアニメーションを行う方法をご紹介したいと思います。
[UE4] Matineeでカットシーン制作(1)Actorを登録して動かしてみる
[UE4] Matineeでカットシーン制作(2)カメラを動かす、切り替える
[UE4] Matineeでカットシーン制作(3)アニメーションの再生、切り替え
[UE4] Matineeでカットシーン制作(4)Blueprintからの再生制御