関連ブログ
- [UE4][UE5]開発環境の容量を少しでも減らす 2024.08.14UE
- [UE5] PushModel型のReplicationを使い、ネットワーク最適化を図る 2024.05.29UE
- [UE5]マテリアルでメッシュをスケールする方法 2024.01.17UE
CATEGORY
2014.05.03UE4UE/ 初心者向け
前回はエディタからC++のソースコードを追加する方法を紹介しましたが、今回はエンジン本体のソースコードを取得し、Windows環境でビルドするまでの手順をまとめました。
GitHubからソースコードを取得すれば、自分でエンジンを改造することや、エンジンのバグを修正することも可能です。
バグ修正や機能の追加はGitHubを通してエンジンの開発元に送信することが出来、採用されれば自分のコードが正式にUE4に組み込まれます!
GitHubからのソースコード取得方法はいくつかありますが、筆者の主観で簡単そうな方法を選択しています。
分かる方は自分のやり易い方法で取得して下さい。
まずは、VisualStudioExpress 2013 と、Windows7以前のOSを使用している場合はDirectX runtimeをインストールします。
DirectX runtimeは、Windows8では最初からインストールされていますので、別途インストールは必要無いそうです。
また、もちろん製品版のVisualStudio 2013を持っている方は、Express版のインストールは必要ありません。
ソースコードはGitHubからダウンロードしますので、Git for WindowsとGitHub for Windowsをインストールします。
ソースコードを取得するためにGitHubに登録します。
ページ内の「Sign up for GitHub」ボタンから、必要な情報を入力してアカウントを登録して下さい。
UnrealEngineのアカウント管理画面から、↓の画像のように、GitHubのアカウント名を登録します。
GitHub内のUnrealEngineのページへアクセスし、正常にアカウントの紐づけが出来ていることを確認します。
アカウントの紐づけが上手くいっていない場合、404 NOT FOUND のエラーなります。
その場合は、登録したアカウント名が間違っていないか確認してみて下さい。
手順2でインストールしたGitHub for Windowを起動し、↓の画像のように操作して下さい。
画面左側の1.のリストから「EpicGames」を選択し、2.の箇所にある「CLONE」をクリックします。
ソースコードの取得が終わると、画像のようなPCマークのアイコンに変化します。
取得したソースコードは、通常、PC\ドキュメント\GitHub\UnrealEngine フォルダに格納されています。
※
Gitのクローンが面倒、バージョン管理とかよく分からない、とりあえずソースコードが見られればOK、という場合は、この手順の代わりに、GitHub内のUnrealEngineのページの右下の「Download ZIP」ボタンからダウンロードすることも可能です。
GitHub内のUnrealEngineのリリースページから、必要なzipファイルをダウンロードします。
Latest release の「Required_1of2.zip」「Required_2of2.zip」「Optional.zip」の3つをダウンロードします。
先ほどGitHub for Windowsで取得したソースコードに、上記3つのzipを展開したファイルを上書きします。
UE4のビルド環境には、VisualStudio用のプロジェクトやソリューションファイルが含まれていません。
UnrealEngineフォルダ直下にある、GenerateProjectFiles.bat を実行することで、同フォルダに UE4.sln が生成され、VisualStudioで開くことが出来るようになります。
この仕様については、公式ページ内に解説があります。
通常のVisualStudioを使った開発とはビルドルールが異なりますので、一度目を通しておくことをオススメします。
UE4.sln をVisualStudioで開くことが出来たら、構成を「Development Editor」プラットフォームを「Win64」に設定してビルドします。
「UE4」プロジェクトをスタートアップに設定して実行すると、UnrealEditorを起動することが出来ます。
UnrealEditorはプロジェクトをロードする際に再起動するため、このままではプログラムをブレークしてのデバッグを行うことが出来ません。
これは、UnrealVSというVisualStudioのプラグインを使用して、最初からプロジェクトを指定して起動することで解決できます。
UnrealVSは、ソースコード内の UnrealEngine\Engine\Extras\UnrealVS\VS2013 フォルダに置かれている UnrealVS.vsix をインストールすることで使用できます。
インストール後にVisualStudioを再起動し、メニューの [表示 -> ツールバー -> UnrealVS] にチェックを入れると、↓の画像のようなツールボックスが表示されます。
右側のテキストボックスに開きたいプロジェクトファイルを指定してデバッグを開始すると、最初からそのプロジェクトを開いた状態で開始することが出来ます。
例:”C:\Users\UserName\Documents\Unreal Projects\TappyChicken\TappyChicken.uproject”
UnrealVSについては、公式ドキュメントにも説明があります。
VisualStudio Express ではUnrealVSをインストールすることが出来ません。
その場合は以下の手順で、プロジェクトを指定して起動できます。
1.リューションエクスプローラで「UE4」プロジェクトを右クリックして、「プロパティ」を選択します。
2.[構成プロパティ -> デバッグ -> コマンド引数] にuprojectファイルのパスを入力します。
UE4のプロジェクトの構成名には、Develpment Editor や Shipping Client など、少し長めの構成名が付けられています。
VisualStudioのデフォルトでは見づらくなってしまうので、このプルダウンのサイズを大きくしておくのがオススメです。
VisualStudioのメインメニューから [ツール -> カスタマイズ…] を選択し、↓の画像のように選択すると、項目毎のサイズを設定することが出来ます。
「ソリューション構成」のサイズを200くらいにしておくと見易くなります。
以上で、UnrealEngine 4 のソースコードをビルドし、デバッグ可能な環境で実行することが出来ました!