BLOGブログ

2022.11.02UE5UE/ 初心者向けUE/ Debug

[UE5] UnrealInsights を使ってみよう

執筆バージョン: Unreal Engine 5.0

こんにちは!

今回はUnreal Engine公式から提供されているプロファイリングシステム、Unreal Insights をUE5で使用する方法について詳しくご紹介します。

こちらの記事はあくまで使用する方法のみですので、Unreal Insights 画面の見方が知りたい!という方向けに、記事の最後に公式動画のリンクを張っております。

かなり細かく説明されているので、良ければそちらをご覧ください。

 

Unreal Insights って?

公式ドキュメント : https://docs.unrealengine.com/4.27/ja/TestingAndOptimization/PerformanceAndProfiling/UnrealInsights/

 

Unreal Engine に標準で搭載されているプロファイリングシステムのことです。

公式から提供されているものですので、特にプラグインなどは必要なく、すでに作成されているプロジェクトでも、簡単に使用を開始することができます。

 

UnrealEngine4.23 からサポートが行われていたのですが、最近リリースされたUnrealEngine5.0で大規模な更新が入っており、より使いやすいものに進化しています。

 

また、Unreal Insights には

・Timing Insights

・Asset Loading Insights

・Animation Insights

・Network Insights

の4種類が含まれているのですが、今回はTiming Insights に話を絞って解説します。

 

 

UnrealEngine4.27からの変更点

 

4.27やそれ以前からUnrealInsights を触っている方へ、5.0で変更された箇所をいくつかまとめてご紹介します。

 

・PIEでTraceコマンドを使用して実行する際に、

 [Trace.Start] [Trace.Start CPU,GPU] など、明示的な指定が必要になりました。

 

・Engine/Binaries/Win64/UnrealInsights.exe からしか開けなかったUnrealInsights が、エディタ上から開けるようになりました。

 Tools > Run Unreal Insights で実行可能です。

(Engine/Binaries/Win64 にUnrealInsights.exeは残っているので、そちらからも実行可能です)

 

 

UnrealEngine5 で使用してみる

 

計測方法として2つ、方法が存在します。

A.Standaloneで起動し、計測を行う(ゲーム開始から終了まで

B.エディタ上でTrace.Start / Trace.Stop コマンドを利用して計測を行う(特定の部分

 

A.Standalone で起動し、計測を行う

こちらはゲーム開始から終了までを計測する方法です。

 

1.  プロファイルしたい対象を設定

Editor Preferences > Level Editor > Play > Play in Standalone Game > Additional Launch Parameters に、

以下の計測設定のコマンドを入力します。

 

コマンド説明

trace : 下記画像のようなTraceChannelをプロファイルしたい対象として指定できます。

    引数なしで実行した場合は、デフォルトのチャンネルセット(CPU / Frame / Log / Bookmark)が使用されます。

statnamedevents : 指定するとCPU情報として出力される情報が多くなります。

 

2. Tools > Run Unreal Insights を実行し、UnrealInsights を起動

 

3. UnrealInsightsを起動したままで、エディタからStandaloneでプロジェクトを実行

 プロジェクト実行後、UnrealInsightsの画面に【LIVE】と表記されたデータが追加されていたら成功です!

(この時点でダブルクリックもしくは右下の【Open Trace】を使用してデータを開くと、リアルタイムで解析結果を確認することができます)

 

 

4. 結果を確認

実行終了後、Unreal Insights上で追加されたデータを開くことで、解析結果を見ることができます!

 

 

B.エディタ上でTrace.Start / Trace.Stop コマンドを利用して計測を行う

こちらは特定の場所だけ計測をする方法です

 

1.  PIE でプロジェクトを実行

 

2. コンソールコマンドに【Stat NamedEvents】と入力

上記のAパートでも説明しましたが、このコマンドを使用するとCPUのプロファイルを行う場合に、より多くの情報を得られます。

 

3. 計測を行いたいタイミングで【Trace.Start】コマンドを実行

プロファイルしたい対象を明示的に指定し、Trace.Start コマンドを実行します。

この際に、 [Trace.Start] に続けて [CPU, GPU] 等、プロファイルしたい対象の指定が必要です。

(対象の種類一覧は上記のAパートに明記しております)

 

4. 計測を終了したいタイミングで【Trace.Stop】コマンドを実行

 

5. Unreal Insights を実行する

エディタのToolsからRun Unreal Insights を実行し、

【プロジェクト名】 > Saved > Profiling に作成されている .utraceファイルをドラックアンドドロップします。

計測解析画面が開けば成功です!

 

 

 

公式動画:https://www.youtube.com/watch?v=NhehQI98lis

     https://www.youtube.com/watch?v=Rf6oNkcGmX4