今回は、3DCADの一つである、RhinocerosからUE4へデータをインポートする際の注意事項をご紹介します。
Rhinocerosのプラグインである、Grasshopperを用いて、様々なパラメトリックな形状を作ることができるため、
建築、ジュエリー、工業製品と、幅広く利用されていますが、中でも建築の分野で使うことがある方にとっては、
UE4にデータを持ち込み、設計途中のシミュレーションに用いたり、少し作りこんでクライアントとの打ち合わせにも
使うことができたりと、幅広く利用の可能性が潜んでいます。
現状としては、Rhinocerosからのデータの移行において、3ds Max等のCGソフトと比べると、ライトマップや、UV展開が苦手な面もありますが、
いくつかの点に注意すれば、設計後の動画作成はもちろん、設計途中段階でのリアルタイムでのシミュレーションなどに、
力を発揮すると思われます。
またUE4内での作業は、Grasshopperと同じグラフィカルエディターでの作業となるため、Rhinocerosユーザーのみなさんにとっても、
実は親近感のわきやすい環境なのではないでしょうか。
それでは、最低限の注意点を説明していきます。
◇注意事項
1.インポート時のRotationとScaleの調整について
Rhinocerosで、データをFBXデータとしてエクスポートします。
次に、UE4側でデータをインポートするにあたって、以下のように設定をします。
![settingr](https://historia.co.jp/wp/wp-content/uploads/2016/09/SettingR-300x287.jpg)
・Import RotationのRollの値を-90に設定する。
・Import Uniform Scaleの値を0.1に設定する。
・必要に応じて、Combine Meshesにチェックをいれる。
少なくとも、このインポート時の設定をすることで、スケールや軸のずれに煩わされることはなくなります。
もちろん、Rhinoceros上でこれらの変更をしてからインポートをすることもできますが、
恐らくRhinocerosでの作業がメインとなることが多いと思われますので、
UE4上で設定をした方が支障が少ないように感じています。
2.同一マテリアルの貼り付け方について
Rhinocers上で、マテリアルを割り当てて、いざUE4にインポートをすると、
同一マテリアルを割り当てた箇所の個数分インポートされてしまい、
UE4内での作業がやりにくくなってしまうことがあります。
![duplicatetx](https://historia.co.jp/wp/wp-content/uploads/2016/09/duplicatetx-300x128.jpg)
そのような状況を避けるために、私は同一マテリアル対象にたいして、
同時選択をした上でテクスチャマッピングを行うことで、状況を回避しています。
![mappingm](https://historia.co.jp/wp/wp-content/uploads/2016/09/mappingm-300x158.jpg)
以上の工程を踏むことで、同じデータをUE4へインポートしても、
同一マテリアルの重複は避けられるようです。
![noduplicatetx](https://historia.co.jp/wp/wp-content/uploads/2016/09/noduplicatetx-300x132.jpg)
ただ、同様の処理をしても、対象オブジェクトがポリサーフェスではなく、
メッシュの場合、先ほどと同様に重複してしまうようです。。。
よい対処法を見つけ次第、また報告します。
3.曲面を持ったオブジェクトのインポートについて
せっかくRhinocerosを用いてモデリングをしているなら、
みなさんGrasshopper、特にWeaverBird等を用いて、楽しい曲面をもったオブジェクトを
作ることも多いかと思われます。
そうした曲面を持つオブジェクトを、UE4へインポートする時にも、一つ注意事項があります。
Grasshopperでベイクしたオブジェクトを、ポリサーフェスのままエクスポートしてしまうと、
UE4上で、曲面がギザギザした形状になってしまいます。
そのような事態を避けるために、曲面を使ったオブジェクトには、
Mesh from surface/polysurfaceコマンドをかけてMeshへ変換してから、
エクスポートする必要があるようです。
![meshfrom](https://historia.co.jp/wp/wp-content/uploads/2016/09/meshfrom-300x198.jpg)
上記の処理を施すと、滑らかな曲線をもったまま、
スムーズにインポートされます。
![curvingmesh](https://historia.co.jp/wp/wp-content/uploads/2016/09/curvingmesh-300x162.jpg)
パイプ状のものなど、曲率がそこまで激しくないものならば、
ポリサーフェスのままエクスポートしてしまっても問題がないようですが、
Weverbirdなどを用いて激しく曲率を変えた場合は、
Mesh化してからのエクスポートをお勧めします。
今回ご紹介した注意事項だけでは、Rhinoceros To UE4のコネクションには、
まだまだ解決しない問題も多いかと思います。
ですが、初めて慣れないゲームエンジンに触れてみようと思った時、
上記の問題でつまづいた直後は、かなりへこみますが、
それらが解決しただけ、かなりまた気持ちを盛り返せるものではないかと思います。
Rhinocerosユーザーで、初めてUE4を使ってみようという方の、
お役に立てれば幸いです。