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2015.05.14タイトル情報
アーティストが1人で1ヶ月間でゲーム1本作ってみた ~ダンジョン&バーグラー制作記 1~
「1ヶ月スケジュール空けるから、1人でモバイルゲーム作ってみない?」
そんな社長のムチャぶりに無謀にも飛びついた私は、本当に1人で1ヶ月でゲームを作る事になりました。
そんな私の業種は「テクニカルアーティスト」。
2D・3Dグラフィック実装・エフェクト・ブループリント・レベルデザイン等々なんでもやりますが、
基本的にはグラフィックアーティストなので、ちゃんとしたゲームを1人で作った経験なんて当然ありません。
とにかく人ナシ、経験ナシ、時間ナシなプロジェクトですので、無計画に作り始めては絶対に完成しない!
と、いうことで、下記の3つのポイントを意識して制作をスタートさせました。
①用意できるアセットから逆算してゲームデザインする
⇒まずはリソースありき!
②プロトタイプを短期間で作る
⇒初めてだもの。作ってみなきゃ分からない!
③「作り過ぎない」ワークフロー
⇒製作期間を無駄なく使い切る!
今回は、①について詳しく解説していこうと思います。
①用意できるアセットから逆算してゲームデザインする
かなり邪道なやり方ですが、「ダンジョン&バーグラー」は、用意できるアセットから逆算してゲームデザインを考えていきました。
ゲーム制作に於いて、3Dアセットを作成するコストは膨大です。
キャラクター1つ作るにも、モデリング・UV展開・テクスチャ作成・スキニング・アニメーションなどなど…非常に手間がかかります。
製作期間も人員も乏しい今回のプロジェクトでは、とてもそこに大きく時間を割くことは出来ません。
まずは3Dアセット調達の目処を立て、それらを使って作れるゲームデザインを考える事にしました。
さて、UE4のマーケットプレイスのアセットは軒並み高品質ですが、オープンしてから日が浅い(2014年9月~)事もあり、出品数はそれ程多くありません。
そこでまずは、出品されているキャラクターや背景等の3Dアセットを、3ジャンルに分類してみました。
A「ガチFPS向き、リアルなSF&ミリタリー路線」
B「アクションRPG向き、リアルなハイファンタジー路線」
C「カジュアルゲーム向き、コミカルなファンタジー路線」
AやBはいかにもUE4らしい、リッチな印象ですが、
ポリゴン数やテクスチャ枚数も多そうですし、モバイルゲームにはあまり適していないように見えます。
消去法でC「カジュアルゲーム向き、コミカルなファンタジー路線」の中から絞り込んでいく事にしました。
そして、丸一日ほど悩んだ末、チョイスしたのはコチラの2点!
◯「Top-Down Dungeons」
◯「Halloween Props」
「Top-Down Dungeons」は背景に、「Halloween Props」は敵キャラやトラップに使えそうです。
次に、スクリーンショットとにらめっこしながら、ゲームデザインのコンセプトを妄想します。
◎指一本でプレイできるシンプルなゲームにしたいので、操作は移動のみのアクションゲーム。
◎「移動のみ=攻撃が出来ない」という事なので、プレイヤーは騎士や魔法使いではなく、非力なこそどろ。
◎少ないリソースでもやりごたえを出すため、何度も繰り返しダンジョンに忍び込み、最下層を目指しながらゲットしたお宝やクリアタイムを競うゲームに。
◎ルールを極力単純化したいので、敵に接触した瞬間に死亡するように。
◎「魔界村」「ドルアーガの塔」のようにコンテニューを繰り返しながら敵や罠の配置を覚えて攻略していく、アーケードライクな「死にゲー」を目指す!
うんうん。なんとなく、作れそうな気がしてきました。
次回はいよいよ実制作開始! ②短期間でプロトタイプを作る について解説していこうと思います。お楽しみに!
付録
今回購入したアセットについて、内容を記載しておきます。ご参考にどうぞ。
「Halloween Props」$49.99
分類 | 参考画像 | 個数 | 備考 |
スタティックメッシュ | 55 | トラップやアイテム、背景に使えそうな小物類が多数。 | |
スケルタルメッシュ | 4 |
コウモリ・フクロウ・オバケ・開閉する棺桶の4体。 簡単なループアニメーションが1つづつ付属。 |
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テクスチャ | 各4枚 |
テクスチャはディフューズ、ノーマル、ラフネス、エミッシブなど。 アルファ無しのモデルは全て1枚のテクスチャにまとめられているので、注意。 |
「Top-Down Dungeons」$74.99